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「開店1時間前から大行列」煮物、白和え、味ご飯の「映えない総菜」が 40分で完売…"町の小さな総菜屋"に客が殺到する訳

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「前日から楽しみにしていた」と行列を作る客。映えとは無縁の総菜になぜ惹きつけられるのか?(写真:筆者撮影)
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・ナスの煮びたし(280円)

ニンジンの飾り切りがかわいい(写真:筆者撮影)
原型をとどめているのに、トロリとした食感のナス(写真:筆者撮影)

ナスの煮びたしは、あれば必ず購入する総菜だ。かむとナスの水分とだしがじゅわりと口に広がり、ナスがトロトロに溶ける。筆者は付け合わせの生姜を途中でかじるのが好きだ。やさしい味の中に、ピリッとした刺激が走る。かむというより、飲む。そんな表現が浮かぶほど、トロトロに煮込まれたナスだ。

・味ご飯からあげ弁当(430円)

常連客から「この組み合わせは最高だよ」と教えてもらった(写真:筆者撮影)

味ご飯とからあげがセットの「味ご飯からあげ弁当」。味ご飯はかめばかむほど醤油の味が広がり、適度に塩味も感じる。それに対してからあげは少し甘め。脂っぽくなく、衣はさっくり。中央にある玉子焼きは、ふんわりしていた。甘みとしょっぱさが交互にやってきて、気づけば完食している弁当。

行列の原点は、フルーツサンドの大混乱だった

フードショップヒライが行列店になったのは、「偶然の重なり」だった。10年前の客層は70〜80代が中心。流れが変わり始めたのは、スイーツの参入だ。製菓の専門学校を卒業した彩乃さんが加わりフルーツサンドを販売し始めると、ブームの波に乗ってSNSで一気に火がついた。「100個作っても10分で完売することもあった」と彩乃さんは振り返る。

今でも、スイーツ目当てで来店する客は多い(写真:筆者撮影)

当時、フルーツサンドはレジ横のショーケースに並んでいた。開店と同時にレジ前に客が殺到したが、フルーツサンドだけ買って帰る客が多く、総菜の売れ残りは依然として続いていた。やがてこの混雑がコロナ禍と重なり、密を避けるために「右回りの一方通行ルール」が誕生した。

この小さなルールが、客の流れを変えた。スイーツ目当てで来た客が総菜も手に取るようになり、若い世代も行列に引き寄せられた。取材日に、初来店だった30代の女性客は言う。「店の前を通るといつも行列で気になって。総菜屋で総菜を買うのは、初めてです」。

インスタグラムのフォロワーは現在約5.1万人。「インスタで『今日のメニュー』を見て来ました」という声は、行列の中で何度も聞かれた。

案内板も手作り。現代の店では表せないレトロ感がある(写真:筆者撮影)
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