フードショップヒライは家族4世代で支える店だ。店長を務めるのは平井外澄さん(89)。営業日は天候にかかわらず外に立ち、旗振り棒を持って駐車場整備を担当する。レジを担当するのは娘の佐栄子さんと、孫の多田良平さん。スイーツ担当は孫の彩乃さん、調理は外澄さんの娘・みかさんと、みかさんの友人の征一郎さんが担う。
なぜ、煮物のために1時間前から並ぶのか
客に話しかけると、口をそろえて出てくる言葉がある。「安くて、美味しい」。
列の先頭にいた50代の夫婦は“リベンジ来店”だった。「前回味ご飯を食べて、『昔お母さんが作ってくれた味と同じや』ってびっくりして。しかも具だくさんで安い。前回は商品があまり残ってなかったから、今日は一番乗りです。目当ての総菜は全部買えましたよ」とニッコリ。
「もういろいろ作るのめんどくさいなっていう時に来るんですよ。並べるだけで済むから。家事を楽したい時の強い味方です」と月2〜3回通う40代の常連客。
2カ月に1回通う80代の女性は言う。「煮物とかチキンの味付けとか、手の込んだものは作れないでしょう。最近は物価が高騰しているし、ガス代も高い。だから日頃食べられないものを買う“お楽しみ”として、ここで買い込むんです。煮物は冷凍できるって、隣に並んでたお客さんに教えてもらったんですよ」。
行列の中で電話しながら注文を確認している人も何人か見かけた。代表で買いに来る客も珍しくない。
