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弱者同士が叩き合う「マイノリティ支配」の正体 私たちの怒りを操る「文化戦争」の罠と、仕掛けられた「分断」ゲーム

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マイノリティイメージ
なぜ私たちは怒りの矛先をマイノリティに向けがちなのか(写真:HiroS_photo/PIXTA)

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現代社会において格差や貧困が広がり、私たちの生活水準が低下しているにもかかわらず、なぜ私たちは抗議するどころか、怒りの矛先をマイノリティに向けがちなのか。映画監督のケン・ローチ氏や経済思想家の斎藤幸平氏も絶賛し、「インターネット登場以後、もっとも影響力のある論客」と評される気鋭のイギリス人ジャーナリストによる新著『「マイノリティ支配」の正体:分断される社会と文化戦争の罠』の序章から一部を抜粋・再構成してお届けする。

収入は減り、家賃は上がる「絶望の時代」

何かが間違っていると、私たちは心の奥底で感じている。

『「マイノリティ支配」の正体:分断される社会と文化戦争の罠』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

懐に入ってくる収入、住んでいる家、購入する物品、頼りとするサービス、生存に欠かせない惑星といった実体的な環境が、悪化の一途をたどっている。

ある友人は、交際相手とのつらい別れの渦中に不動産業者に連絡を取り、賃貸契約の名義を元恋人から彼女自身に変える必要が生じそうだと知らせた。

相手方は直ちにこんなメールを返してよこした。名義を変更するということは新たな契約を結ぶということであり、その場合は市場の実勢に合わせるために、家賃が月額300ポンド増額になると。

傷心のさなかに踏んだり蹴ったりだが、これは珍しいことではない。誰かが家賃を値上げされたとこぼす声が、ほとんど毎週のように聞こえてくる。

フルタイムの仕事はもはや貧困ライン以上の生活を保証することはなくなった。実際のところ、私たちは収入を削られ、家賃の支払いに一層追われ、社会の衰退感に息もできなくなっている。

ある種の人々の言を借りれば、資本主義はこれまでに存在した他のどのシステムよりも多くの人々を貧困から救い出してきた。

しかし本書を手にしたほとんどの読者にとって、私たちの時代は、不平等や不安感、コミュニティの欠如、情報過多によって定義されるだろう。これらは社会全体の状況であるにもかかわらず、私たちは孤立し、見捨てられたと感じている。

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