国民会議では、給付付き税額控除の早期導入を求める声が強くなっている。他方、消費税減税には慎重論が多い。
実務者会議が小売業界や経済団体にヒアリングしたところ、「事務負担の増加や現場の混乱を考慮すると、慎重な検討が必要」「給付付き税額控除のほうが迅速で効果的」との意見が相次いだ。
また、東芝テック、富士通、NEC、リクルート、スマレジのレジシステム5社へのヒアリングでは「税率としてゼロ%を入力できない」「全体として1年弱の期間が必要。販売先のシステムの複雑さによってはスケジュールが延びる可能性がある」などの意見が出された。
消費税減税に強まる「2つの圧力」
食品消費税減税の規模は年間5兆円程度だ。今後、社会保障の財源確保が必要であることを考慮して、与党内からも「消費税減税は撤回してもいいのではないか」との声が出てきた。さらに、給付付き税額控除の中でも「給付」を先行させる考えが強まった。
政府は5月20日の実務者会議で、給付付き税額控除の実現に向けた論点整理を示した。そこでは、現金給付を先行導入し、税額控除は当面見送るとの方針が示された。
給付付き税額控除は、税額控除と給付を組み合わせた再分配の仕組みだ。しかし、制度が複雑になり、事務負担も重くなるという問題がある。このため、当面は税制と切り離して、給付のみを行うという考えに傾いたわけだ。
消費税減税に対しては、別方面からも圧力が強まっていた。
経済協力開発機構(OECD)は、5月13日に公表した対日経済審査報告で、消費税は社会保障を支える財源として有力と位置づけた。世代間で負担を公平に分担できるし、財源としての安定性も大きい。また、貯蓄・投資などの経済行動をゆがめにくい。
