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管理会社や息子までニセモノ? 実家の不動産が狙われる巧妙な「劇場型押し買い」、恐怖の実態《実際にあった怖い話》

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高齢者の自宅の売却トラブル
高齢者の自宅の売却トラブルが増えています(写真:nonpii / PIXTA)
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Aさんが2年前に受けた相談では、900万円で一戸建てを売却する契約をその2割にあたる180万円の違約金を支払って解除したという。

「夫の死後、家を売らないかという飛び込み営業を受け、現在住んでいない家だったことからすぐに900万円で売却する契約を締結。

ところが、引き渡し前に家の中を見たいと言われて鍵を貸したところ、室内のあちらこちらに勝手に穴を開けられ、根太(ねだ:床を支える構造部分)や柱が腐っていると業者は指摘。全部修繕するか、建物を取り壊して更地で引き渡すか、どちらかにしてほしいと言われたのです。

相談者が娘さんと一緒に調べてみたところ、どちらにせよ1700万円くらいかかることがわかったそうですが、当然、そんなお金はありませんし、払いたくもない。どうしたらいいだろうという相談でした」(Aさん)

一般に不動産の契約解除には、手付け解除(売り主、買い主双方ともに可)、違約(契約違反)による解除(不利益を被った側からのみ可)、契約不適合責任による解除(買い主からのみ可)、ローン特約による解除(買い主からのみ可)などいくつかの種類があり、多くの場合、手付け解除というやり方を取る。

これは、買い主は支払った手付けを放棄、売り主は手付け金の倍額を支払うことで契約が解除できるというものだが、今回の契約にはこの条項が盛り込まれていなかった。

誰も動いてくれなかった

逆に入っていた条項が契約不適合責任による解除を可能とするものだった。

これは引き渡された目的物が種類、品質、数量などに関して契約内容と異なっている場合にする解除で、前述の通り、これは買い主からしか解除できない。買い主が解除しないとなったら、買い主の要求に従って修繕あるいは解体するか、違約金を払って合意解除してもらうかしかない。

今回のケースは買い主が主張する根太や柱が腐っている云々ということが契約不適合にあたるとされた。経緯からすると、言い掛かりをつけて違約金を脅しとろうとしていたように見えなくもない。

相談者は3人の弁護士を訪ね、役所へ相談に行き、さらに不動産業の業界団体である宅建協会にも相談したものの、誰も動いてはくれなかった。建物は引き渡しておらず、金銭の授受も行われてはいなかったが、契約自体が成立してしまっていたからだ。

加えて現在の法律は押し買いを想定しておらず、抜け道がある。たとえば宅地建物取引業法は宅建事業者に規制をかけることで、不動産を買う一般消費者を守る法律だ。しかし、押し買いでは宅建事業者が買い主になる場合がある。そのため、宅建事業者が強引に買い取ろうとしても、買い主としての行為は宅建業法違反は問えない。

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