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管理会社や息子までニセモノ? 実家の不動産が狙われる巧妙な「劇場型押し買い」、恐怖の実態《実際にあった怖い話》

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高齢者の自宅の売却トラブル
高齢者の自宅の売却トラブルが増えています(写真:nonpii / PIXTA)
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訪問販売にはクーリング・オフという制度があるが、これも買い主を保護する制度であり、売り主には適用されない。高齢で意思能力を欠いた状態であれば契約を無効にできる可能性はあるが、今回のケースはそれには該当しない。

そこでAさんは、相談者に違約金を払ってもらい、その代わり、当該不動産を900万円プラス違約金の合計額以上で売却。全体としてマイナスにはならない解決法を取った。当初から妥当な相手に売却することにしていれば払わなくてもいいお金を無駄にすることはなかったのだ。

ここ2~3年、こうした事例が増加、相談先としては行政の相談窓口や不動産適正取引推進機構、不動産流通推進センターや各地の宅建協会、消費者センターや国民生活センター、弁護士の業界団体などがあり、注意喚起はするものの、契約が成立してしまってからでは、できることはほとんどない。

押し買い被害が増えれば多少は法が変わるかもしれないが、それまでの現行法で押し買いにあってしまった場合、財産は守れないということになる。

安易に契約しないことが大事

では、どうすればいいか。売りたくないなら「売らない」という姿勢を貫けばいいが、「売ってもいい」と思っても安易に契約をしないことが大事。急いで契約をさせたがる相手には注意をしたほうがいいし、契約条件については第三者の意見を聞いてからにしたいところ。

契約する時に契約解除について考えることはないだろうが、解除の要件からは相手の意図が見えることは前述した通り。手付解除の条項の有無を確認するのに加え、契約不適合責任の有無や違約金の割合についてもしっかり確認しよう。

国民生活センターの注意喚起チラシ(画像:国民生活センター)

また、多くの人は不動産会社というだけでどの会社でも同じと思いがちだが、それは歯が痛いのに内科に行くようなもの。どういう仕事をしているのか、誰のためにやっているのかは会社ごとに異なる。そこを調べれば相手が自分の不動産に何を求めているかはわかるし、信用できるかどうかも多少は見当がつくはず。

ご高齢の未亡人が狙われているのはそれができないだろうと思われているから。もし、ご親族に狙われそうな人がいるなら、ご親族のために買いに来た不動産会社の情報を検索し、被害に遭わないように予防線をはってあげてほしい。予防線だけでなく、事業者とのやりとりに立ち会うことができればさらにいいだろう。

ちなみにAさんの日常的な業務は不動産の管理。不動産所有者に代わって建物、入居者、賃料その他に目を配る仕事である。

「管理戸数がそれほど多くはなく、所有者の方々との付き合いが密接なため、異変に気付き、すぐに現場に駆け付けることができましたが、規模が大きな会社では気づきにくいかもしれません。特に高橋さんのケースは登場人物が多く複雑。時間をかけて入念に情報を収集、準備してきたのではないかと思うとぞっとします」(Aさん)

少し前にもマンションの大規模修繕を自社に有利に誘導するために管理組合に架空の人物を送り込む事案が話題になった。最近では原野商法の二次被害で、原野の購入者と称する第三者を登場させることで所有者を安心させて現金や前金を詐取する事例も出てきている。

悪い人たちはこれまでになかった手口を次々に繰り出してくる。法がそれに追いつけない現状を考えるととりあえずは手口を知り、予防を考えていく必要があるだろう。

*記事中の登場人物、会社の名前はすべて仮名です

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