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メロドラマを描く覚悟
戦後史を堂々と描くとは、具体的にどういうことか。映像表現として最も象徴的だったのが、第5話の堀田雅也とのラブシーンだ。
フランク・シナトラが歌う『Only the Lonely』が流れ、細木が堀田への思いを募らせ、事務所に駆け込んでキスするまでのエピソード5の一連のシーン。瀧本監督はこの楽曲に合わせてカット割りを逆算し、途中から音楽を担当した稲本響氏のアレンジによるインストゥルメンタルに切り替え、キスの瞬間にもう一度メロディーのピークが来るよう設計した。
「むちゃくちゃなオーダーですよ」と監督自身も笑う。
あの場面のセットについて、岡野プロデューサーが明かした。「このシーンのために、全部セットを組んでいるんです。美術監督のこだわりで」。
「現代劇であんな大げさなメロドラマをやったら、ほんとに笑われちゃう」と瀧本監督は言う。「でも、この部分は細木のホラ話だっていうエクスキューズも含めてのことなんで。映像のクオリティーでそれを成立させなあかん」。
