ここで、是枝監督作品を、ロケ地を通じて振り返ってみましょう。
カンヌ国際映画祭で「審査員賞」を獲得した『そして父になる』(13年)のロケ地の1つは、群馬県前橋市です。
リリー・フランキーさん演じる「斎木」の家族が住んでいた街として描かれ、市内の商店街や、利根川の遊歩道など数多くの場所が登場しました。この映画のロケ地マップが地元で作られ、上映会が前橋で開催された際には筆者も参加しました。
ロケ地選定に苦労した『万引き家族』の一軒家
また、同映画祭でパルムドールに輝いた『万引き家族』(18年)が撮影されたのは、東京の三ノ輪。舞台となった家は、都電荒川線「三ノ輪橋」駅近くにある一軒家です。
「イメージに合う『周りをビルに囲まれた平屋の一戸建て』という厳しい条件の下、製作スタッフの力を借りてようやく見つかった場所がここでした」(是枝監督)
経済産業省の資料によると、『万引き家族』は、全世界での興行収入6800万ドルのうち、30%が海外での興行収入となっています。既に公開から8年が経過していますが、カンヌの効果は大きく、世界中から多くのファンがここ三ノ輪を訪れています。
さらに、同じくカンヌで「クィア・パルム賞」と「脚本賞(坂元裕二氏)」を受賞した『怪物』(23年)のロケ地は、長野県諏訪地域です。
公開から3周年となった26年4月には、市内でロケ地となった「旧城北小学校」
