そして、クライマックスのシーンが撮影され、本作のカギともなるロケ地が、広島県にある「トチノキ」です。
広島県北部、庄原市にある国の天然記念物「熊野の大トチ」で撮影されました。中国自動車道の庄原インターチェンジからは約1時間の距離、山深い場所にあります。
クライマックスシーンに「広島」が選ばれた背景
推定樹齢は600年以上。樹高は約30m、最大幹周は7.1mであり、日本でも最大規模のトチの大木。同県は綾瀬さんの出身地であり、大悟さんも隣の岡山県出身であることから、2人の世界観にもピッタリとあったロケーションでした。
構想段階のイメージは、屋久島や白神山地にありそうな「ツリーハウス」のような大木だったそうですが、実際にはイメージ通りのツリーハウスを設置することは現実的ではありません。
さらに屋久島までの遠方に行くことはストーリー上難しいことから、「夫婦喧嘩のシーンで、自然と地元の言葉が出るようにしたかった」(是枝監督)ということで、広島県が選ばれたといいます。
大木のロケ地については、以前、映画『クスノキの番人』(26年)の記事でも紹介しましたが、このトチノキは知る人ぞ知る神秘的な大木。木の内部に大きな「うろ」があり、そこに着想を得て撮影したといいます。加えて、山深い場所でありながら、比較的車でのアクセスが便利な場所でもあります。
ストーリーのクライマックスとしてふさわしいロケ地は、こうしたさまざまな要素が組み合わさり生まれたのです。
