「本作で綾瀬さんと大悟さんの2人が暮らす家が鎌倉になったのは、たまたまなんです。綾瀬さんが演じるのは建築士なので、撮影が可能な『建築家の自邸』を探していました。埼玉や東京の吉祥寺なども回った結果、北鎌倉駅近くの住宅で撮影ができることになり、そこを中心に他のロケ地も決定しています」(是枝監督)
「鎌倉の家は、やはり都内と比べて開放的な感じを受け、それを生かしたストーリーにしよう」と考えたそうで、本作のストーリーが紡がれました。
「建築家のリアルな声」もセリフに反映させた
同じく本作にたびたび登場する“大船の街並み”も、同じ鎌倉市内です。
「大船観音」を望むことのできる高台からの風景は、綾瀬さん演じる建築士の「音々(おとね)」が施主の夫婦(角田晃広さん、野呂佳代さん)を案内するシーンで登場。
この場所は、実際にロケ地となった住宅に住む建築家と一緒に見つけた場所だったとのことで、その高台の風景や坂道がスクリーンの中で効果的に使われています。
「高台の土地は段差になっていて平地が少ないので、家主に『ここに家を建てるのは難しいのでは』とお聞きしたのですが、『かえってこういう土地のほうが、建築家は意欲が湧くんです』とおっしゃっていて。そういった建築家のリアルな声もセリフに反映させました。ストーリー構成にも生かされています」(是枝監督)
また、他の是枝作品同様、本作にも印象的に登場する電車は、北鎌倉駅を通る「JR横須賀線」のほか、鎌倉と藤沢を結ぶおなじみの「江ノ電」があります。作中では「横須賀線=夫」「江ノ電=妻」のような象徴的な対比が行われているとのこと。どのように表現されているか、ぜひ劇場で確認してみてください。
