その点、前述した逆算方式では、時代の変遷に合わせた変化にも柔軟に対応できる。試行錯誤が続く生成AIやE2E(End-to-End/ユーザー視点で最初から最後まで一連の動作を想定した検証等)の自動運転技術の開発プロセスが高度に確立されれば、ルールベースの領域を減らし、すぐさまそれを手法として採り入れ、器に例えた車両に実装する。
また電動化車両の効率を左右する2次バッテリーにしても、全固体電池の目処が立てば、ハードとソフトの足並みが揃っているMBD(Model Based Development/モデルベース開発)開発手法の利点をフルに活かし、要のポイントまで立ち返り対応させれば、AER(All Electric Range/満充電で走行可能な距離)は2~3倍に伸び、車体デザインに自由度が生まれ、懸案の軽量化も促進される。
ものすごく大雑把にいえば、世界中のメーカーが認識している課題を一気に解決し、常に新しい仕組みに変更することが可能になる。いわば逆算方式はオセロ(リバーシ)ゲームのごとく形勢逆転が狙えるのだ。
世界と日本、どちらの考え方にもメリットはある
そう考えてみれば、アメリカ、中国、欧州におけるエッジのたったスピード感のある自動運転技術や電動化のアナウンスはアドバルーン的な要素がある。いろいろな新技術をどんどん世に問い、同時に取捨選択する「出してから絞っていく手法」だとの推論が成り立つ。たしかに早いが無駄も多い。
これを認めたうえで、日本の「最終目的から逆算する手法」とはアプローチが真逆であると考えれば腹落ちもしやすいのではないか。山の頂きを目指すルートは複数あるということだ。
