これに基づいて開発されたのが「ロジックフォールディング」構造だ。各回路を分割して積み重ねて立体的に配置・接続する技術で、信号伝送経路が短縮され、寄生容量(設計段階では意図していない無駄な静電容量)や抵抗を低減することで、同一の微細度でも情報処理効率が大きく向上する。
ファーウェイはこの理論に基づき、過去6年間で381種のチップを設計・量産してきたことを明らかにした。26年秋に発売するスマート端末用のシステム半導体「麒麟」は、ロジックフォールディング技術を初めて採用し、大幅な性能向上を実現したと説明した。
新技術でトランジスター密度は5割強向上
26年秋に登場する麒麟チップを例にとると、同一世代の回路技術でもトランジスター密度が1平方ミリメートルあたり1億5500万個から2億3800万個へと5割強向上すると同時に、システムオンチップ(SoC)コアのエネルギー効率は41%改善、最大クロックは約13%上昇した。
市場調査会社・振芯荟のアナリスト、張彬磊氏は財新の取材に対し、「ロジックフォールディングは、従来のエンジニアリングにおける画期的な進歩であり、従来のチップ接続における抵抗、消費電力などのボトルネックを効果的に解消する。しかし、総合的な性能と消費電力の面では、単純に3ナノメートル級半導体と同等性能に進歩するとは理解していない」との見方を示した。
ファーウェイは以前、回路線幅7ナノメートルや5ナノメートル級といった比較的微細度の高いキリン半導体の製造をTSMCに委託してきたが、アメリカの制裁により20年に麒麟の生産委託を断念せざるを得なくなった。
この結果、ファーウェイは一時、「チップが入手できない」という危機に直面し、携帯電話事業は4Gへの通信規格の格下げを余儀なくされた。しかし、23年8月、ファーウェイは5G対応スマートフォン、Mate 60シリーズを突如発売。これに搭載した麒麟9000Sチップを自社開発し、中国本土内での生産に移行しており、中国の半導体技術が飛躍するきっかけを作った。
(財新記者:顧昭瑋)
※中国語原文の配信は5月25日
