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〈AIの成果物への評価〉若者「100点満点」、上司「何か足りない」――価値観ギャップの背景にあるものとは

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ノートパソコンを打っているスーツ姿の男性
若手社員が“AIと上司の間の伝書鳩”になっている?(写真:polkadot/PIXTA)
  • 島 青志 イノベーションデザイナー
  • 金間 大介 金沢大学融合研究域教授、北海道医療大学客員教授
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:先ほどの話で、そもそもなぜ若者がAIの出力を「100点」だと信じ込んでしまうのか。それは、これまでの日本の教育が「正解を出すこと」ばかりを求めてきたからです。「1+1=2」という正解を求める限り、どれほど複雑なビジネスの問題であっても、AIが弾き出した答えが唯一の正解に見えてしまう。

しかし、本当にビジネスで差別化を図るために必要なのは、プロンプトを打ち込む前段階にある「Why、なぜそれをやるのか」という問いそのものです。

金間:若者がAIの使用を好むのは、若者の気質の変化も影響していると分析しています。拙著『無敵化する若者たち』の中で示したように、現代の若者は、失敗を徹底的に避ける「安定志向」です。彼らの気質に、正解を瞬時に提示してくれる生成AIは見事にフィットしているわけです。AIに聞けば失敗しない、という状態になっているのが現状です。

:極論ですが、私は社会全体でAIを一回とことん使い倒してみたらいい、とも思うのです。全員がAIを使って右にならえで「70点」の均一化されたアウトプットしか出せない世界になって初めて、人間は「隣の人とは違うことがやりたい」という衝動に駆られるのではないでしょうか。

金間:なるほど。全員がフラットな限界点まで行き着く先に、ようやく社会の価値観が変わるということですね。

AIが浸透した10年後の未来とは

:10年後どうなるかですが、利便性と引き換えに、AIばかりに依存する人間の思考力が衰退していくのは避けられない事実でしょう。よく私は「自動車と足腰の関係」に例えて話をします。地方都市などでは車がないと生活できませんが、どこに行くにも車を使う生活を続けていれば、当然ながら足腰は弱くなります。

だからといって「車を使うな」と規制するのは現実的ではありません。大事なのは、車も使いつつ、歩いたり運動をしたりして足腰を鍛えることです。AIと共生する際には、人間にしかできないリアルな経験や、感情を揺さぶられる体験を意識的に積むことが大切なのです。

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