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〈AIの成果物への評価〉若者「100点満点」、上司「何か足りない」――価値観ギャップの背景にあるものとは

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ノートパソコンを打っているスーツ姿の男性
若手社員が“AIと上司の間の伝書鳩”になっている?(写真:polkadot/PIXTA)
  • 島 青志 イノベーションデザイナー
  • 金間 大介 金沢大学融合研究域教授、北海道医療大学客員教授
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:AIの出力は、個別の案件に当てるとなると、どうしても最大公約数の及第点しか出てこない、というところがポイントですね。拙著『いつもひらめいている人の頭の中』で、合理的な最適解を導く「アルゴリズム思考」と、経験則から直感的に判断する「ヒューリスティック思考」の対比を説明しました。

例えば「明日のデートに何を着ていくべきか」をAIに聞けば、嫌われない無難な服装を教えてくれます。しかし、それでは相手の印象には残らないでしょう。あえてリスクを取って、自分らしい服を着ることで相手に強烈に刺さるかもしれないわけです。もちろんマイナスに思われる可能性もありますが……。ビジネスにおける資料作成や提案も、似ていますよね。

AI時代に突き抜ける「個別化」の正体

金間:成功も失敗もどちらも可能性がある、という「揺らぎ」の部分ですね。ビジネスでもプライベートでも、何か突き抜けたいなら、平均の正解ではなく、目の前の相手に向けた「個別化」に対応することが必要です。それこそが他者との最大の差別化ポイントになる。

僕は、人間に最後に残る優位性は「身体」「感情」、そして何よりも「個別化」の3つだと考えています。世の中のデータリサーチや、一般的な傾向・対策といったマス向けの情報収集は、すべてAIが瞬時にこなしてくれます。しかし、デジタル化されていない『目の前の特定の人物をどう口説き落とすか』という超個別的なアプローチは、AIが最も学習しにくい領域です。

『いつもひらめいている人の頭の中』(幻冬舎新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

:実際、アメリカの最先端IT現場では、コードを書くだけのプログラマーが削減される一方で、「FDE(フォワードデプロイドエンジニア)」という職種が注目されていますよね。

これはエンジニア自らが顧客の会社へ赴いて組織固有の課題を吸い上げ、プロダクトの導入から活用まで伴走する仕事です。

AIが進化しても、最終的には最前線に人が行って泥臭くコツコツヒアリングしながら「顧客に個別対応する」という領域が、価値の高い仕事として生き残っているわけです。

金間:僕のところには、「10年後、AIが完全に浸透した社会はどうなっているでしょうか」という心配の声がよく寄せられます。若い世代がいよいよ自分の頭で考えることを放棄し、すべてをAIに丸投げする状態が定着してしまったら、社会はどうなるのかと。

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