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職場と家庭で広がる"感情ミュート社会"とは何か?過半数が「気持ちを出さない」時代、喜びさえも抑える理由とは? 

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「感情に関する意識調査」で驚くのは、ポジティブな感情についても抑える意識がうかがえる点だ(写真:siro46/PIXTA)
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同研究所が昨年10月、20~69歳の男女3914人に行った「感情に関する意識調査」では、「あえて自分の感情や気持ちを出さないようにしている」という項目に「そう思う」と答えた人は全体の56.3%だった。

また、自分の感情や気持ちを出す機会が「減った」と感じる人は61.9%、自分の素直な気持ちや感情を出せる相手や場が「減った」と感じる人は63.8%にのぼった。

ミュート

「あえて感情を出さないと感じている人が一定数いるという調査結果を踏まえ、私たちは、オンライン会議で周囲の音を遮断する『ミュート(マイクをオフにすること)』になぞらえ、『感情ミュート社会』と名づけました」

感情をミュートするような意識は、なぜ生まれているのか。

同調査には「自分の感情や気持ちを抑えている場面」を問う項目もある。最も多かったのは、「仕事のとき」(83.2%)だった。松井さんは、こうした結果から、感情を抑える傾向の背景について、いくつかの要因が考えられると指摘する。

「たとえば1950年代から現在に至る従業者の傾向を見ると、自営業主や家族従業者の比率に比べて、雇用者(組織で働く人)の比率が増加してきました。また、第1次産業や第2産業の比率が5割を超えていた時代から、商業・サービス業などの第3次産業が中心となるなどの変化も見られます。

こうした変化により、『対人労働』の比重が高まってきたと考えられます。対人関係の中では、感情を強く表に出すことで相手を嫌な気持ちにさせたり、衝突が生まれたりする可能性もあるため、感情はミュートしておいたほうが働きやすいと感じる人が増えてきたのではないでしょうか」

一方で気になるのが、抑えている場面として「子どもと一緒のとき」(63.2%)、「配偶者・パートナーと一緒のとき」(55.3%)など、プライベートな場面も高い割合を示していることだ。

「一つ考えられるのは、共働き世帯が増えていること。今は怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントなどの考え方が職場で取り入れられる場面も増えてきました。そのような考え方や視点を大人が家庭に持ち帰ることで、日常生活にも影響が及んでいる可能性があります」

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