子どもたち自身が抱えるストレスも忘れてはいけません。6月は梅雨の時期です。雨の日が続くと、休み時間に外で遊べません。体を思いきり動かして発散したいエネルギーが、教室の中にこもったままになる。
子どもにとって、これはかなりのストレスです。「なんとなくイライラする」「友だちとぶつかりやすくなる」のは、こうした身体的な要因も大きく関係しています。
加えて、放課後は塾、ピアノ、スイミング、英会話、習字などで忙しく過ごしている児童も多い。今の子どもたちは、私たちが思っている以上に予定で埋まっています。
学校から帰ってもゆっくりする時間がない。寝る時間が遅くなる。睡眠不足のまま朝を迎える。そうやって少しずつ疲労が蓄積している子が、教室には何人もいるのです。
「BANI時代」を生きるということ
私たちが今生きているのは、「BANI時代」だと言われます。VUCA(変動・不確実・複雑・曖昧)に代わって登場した、現代の特徴を表す言葉です。「魔の6月」を考えるとき、このBANIという視点はとても役に立ちます。
B:Brittle(もろい)
頑丈に見えても、実は簡単に壊れてしまう。一見、何の問題もなさそうな学級が、ある日突然崩れる。「4月、5月は本当にいいクラスだった」と思っていたのに、6月になって急に荒れ始める。これはまさに、Brittleの典型です。
子どもの心も同じです。元気そうに見えていた子が、ある日突然学校に来なくなる。先生方ご自身も、頑張りすぎて、ある日急にエネルギーが切れる。
「壊れるはずがない」と思っていたものほど、実はもろいのです。だから、「うちのクラスは大丈夫」と思っているときこそ、要注意なのです。
A:Anxious(不安)
今の子どもたちは、ものすごく多くの不安を抱えています。将来への不安。SNSの中の人間関係。「自分はこのままで大丈夫なのか」という、漠然とした不安。テストの点数、運動会の結果、友だちとの比較。
家に帰ってタブレットを開けば、より刺激的な世界が広がっていて、自分の日常がつまらなく感じてしまう。不安は、目に見えにくい感情です。表面上はニコニコしていても、内側ではぐらぐら揺れている子が、教室には何人もいるのです。
6月の蓄積した疲労が、その不安にスイッチを入れてしまい、「いつもなら言わない一言」が、口から出てしまうのです。
