取材で訪れた5月下旬、平日昼間の駅前は閑散としていた。普通、人がいない場所は寂れた物悲しい雰囲気をまとっていることが多いが、日立駅前はなぜかさっぱりとした明るい空気が漂っていた。
駅から徒歩4分の場所に位置するのが、商業施設「ヒタチエ」である。旧イトーヨーカドー日立店跡に、日立市が22年に土地・建物を取得し、23年4月にリニューアルオープンした。日立駅前の大型商業施設といえばここだけで、無印良品、いばらきコープ、丸善などが入居する。
午前中の館内はやはり静かで、丸善の売り場を歩く客はまばら、フードコートもガラガラだった。しかし午後になると客数が増え、フードコートは学生で賑わうようになった。
18年にイトーヨーカドーの閉店が決まった際、市長や商工会議所会頭が存続を要望し、売り場縮小による延命も試みられたが、22年に閉店。
その後、市は施設を取得し、「市の玄関口に立地し、将来にわたってまちづくりを主導する」という方針のもと再整備した。
ただ、平日昼間はガラガラで、にぎわいを支えているのは主婦や放課後の学生たちだった。行政の本気と、現実の難しさが同居している。
昭和で時が止まった「日立銀座ショッピングモール」
ヒタチエを抜けると、日立銀座ショッピングモールに入る。かつては日立市最大の繁華街として栄えたエリアだ。ボンベルタ伊勢甚の旧店舗(DS伊勢甚)があった鹿島町方向へと商店街が続いている。
日中、人通りは少なかった。シャッターの下りた店舗の合間に、花屋や婦人服店がぽつぽつと営業している。道はきれいに整備され、ゴミも落ちていない。かつて百貨店が扱っていたような買い回り品を売る店は、ほとんど見当たらなかった。
