閲覧用の本も充実しており、ビジネス書、漫画、雑誌が読み放題。Wi-Fi、電源も完備され、モニターやケーブル類も無料でレンタルOK。店舗によってはプリンターが使えるのも、出張族にはありがたい。滞在場所も、仕事に集中できる半個室から眺めのいいカウンター、ゆったりしたソファまで、シーンに合わせて使い分けられる。
また、鍵付きロッカーがある店では、貴重品を預け、気兼ねなくソファ席で英気を養うこともできる。郊外型をのぞく店舗は駅からのアクセスも抜群だ。トイレも、店の中か同じフロア内にある。
このSHARE LOUNGEがいま、急速に拡大している。2019年のスタートから6年で、店舗数は全国50店舗超、アプリ会員数は55万人に達した。数々の好条件を考えれば当然な気もするが、翻せば“コストの塊”のような業態……。果たして採算は取れているのだろうか。
CCCのSHARE LOUNGE事業責任者である川口彩さんと、筆者が最もよく訪れるJR大阪駅直結の関西最大店舗「TSUTAYA BOOKSTORE イノゲート大阪 SHARE LOUNGE」の運営責任者 富田朋史さんに話を聞いた。
業界平均より20ポイント低い"FL40%"のからくり
SHARE LOUNGEの採算の謎を解くカギは、CCCが掲げる、ある独自ルールにある。
「SHARE LOUNGE事業においては、指標として『FL(フード&レイバーコスト)40%』を掲げています。フードの原価率と人件費率を足して、合計40%を一つの指標としているんです。一般的なカフェチェーンですと、おそらく原価率60%程度が標準かと思いますが、そこと比較すると、高い利益率を出すことができる業態になっています」(川口さん)
フード原価率と人件費率を足し合わせた数値が40%と60%では、大きく差がある。
具体的な数字に置き換えてみよう。仮に1時間1500円で利用する客がいた場合、一般的なカフェチェーンの原価率なら、そのうち900円分がフードに消える計算になり、人件費率を加えるともっと消える。これらを1500円から差し引いた残りの金額から、家賃、光熱費、本部経費、ロイヤリティなども差し引かなければならない。
一方、SHARE LOUNGEは同じ1500円のうち、フードと人件費に使うのは600円まで。残り900円を、家賃や本部経費、利益確保に回せる。業界平均の店と比べて、1人の客あたり300円多く"利益のための余裕"がある計算となるのだ。
フリードリンク・フリーフード、本読み放題、Wi-Fi完備で1時間1000円台という"異常にコスパが良すぎる空間"が、ビジネスとして成立する理由はここにある。
