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「検索の巨人」LINEヤフーが"ゼロクリック"でぶち当たった壁 最高益でも牽引役はPayPay…AI逆手にマネタイズなるか

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3月に上場したPayPayが牽引し、最高益を達成したLINEヤフー。肝心のLINEヤフー本体の経営は、岐路を迎えている(上・右下写真:尾形文繁撮影、左下画像:LINE公式サイトより)

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「検索が減ってくるトレンドは見えている」――。

ネット上で生成AI(人工知能)がまとめた要約を読んで、ユーザーが検索結果のリンクに行かなくなってしまう「ゼロクリック問題」。米グーグルだけでなく、1億人のユーザーを抱える“検索の巨人”であるLINEヤフーにも、少なからぬ影響を与えている。同社が5月8日に開いた決算説明会で、出澤剛社長は冒頭のように語った。

LINEヤフーの足元の決算は堅調だ。前2026年3月期は売上高が前の期比6.2%増の2兆0363億円、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が同5.5%増の4966億円。今27年3月期も2桁の増収増益を見込み、達成できれば連続最高益更新である。

支えたのはPayPayという大孝行息子

ただし、詳細に見ていくと、決して安泰というわけではない。前期の好業績を最も牽引したのは、決済子会社のPayPay。国内のQRコード決済市場で3分2以上のシェアを握るPayPayは、まさに今が資金回収期であり、今年3月には米ナスダック市場に上場した。

LINEヤフーは持ち株を売り出さなかったものの、PayPayの前期の調整後EBITDAは89%増益、PayPayを含む「戦略部門」のセグメント利益は2倍超の増益。前期に限れば、完全にLINEヤフー全社の成長を支えているのだ。

では肝心のLINEヤフー本体はどうか。

主力となるメディア、コマース、戦略の3部門のうち、調整後EBITDAベースで、最も絶対額が大きかったのは、いまだ広告収入がメインとなる「メディア部門」だ。メディア部門の売り上げの大半は検索広告、アカウント広告、ディスプレイ広告で構成され、ヤフーの代名詞ともいえる検索広告の売上高は、ずっと2000億円の壁を突破できずにいる。日本一のポータルサイトとしての影響力はがぜん大きいものの、以前のような成長余地は望めなくなっている。

検索エンジンの頭打ちは、AIだけが原因ではない。若年層がSNSからキーワードで検索する傾向はかねて指摘されてきたことであり、SNSと検索エンジンを併用しているユーザーも多い。そこにAI要約が登場したことで、ユーザーが要約だけで満足して引用サイトに遷移しなくなり、「頭打ち」状態がより可視化された形で起きているというわけだ。

NTTドコモ系のモバイル社会研究所の調査(25年11月)によると、「ネットで検索してAI要約が表示されたとき、リンクをクリックせずに調べるのをやめたことがありますか」という問いに対し、「ほとんどやめる」「よくやめる」「ときどきやめる」を合わせ、全体の64%がクリックを「やめる」と回答している。

実際、ヤフージャパンのクエリ(質問)全体のうち、「AI回答の比率は13%程度」(坂上亮介・上級執行役員CFO)という。一発回答で終わるAI回答の比率が高まれば、広告収入にもマイナスの影響が及んでくる。今やSEO(検索エンジン最適化)対策よりも「AIO(AI最適化)」のほうが注目されるゆえんだ。

少なくとも前期の結果を見る限り、LINEヤフーがメディア部門やコマース部門の減益を戦略部門の増益で補い、最高益を達成したことは疑いようがない。ゼロクリックという逆風にさらされる中、LINEヤフーは反転攻勢に出られるのか。次ページから、同社がぶち上げたマネタイズ戦略の中身、カカクコム買収に名乗りを上げた思惑などを詳細に見ていく。

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