小鳥とヒトが協力し合うという、世にも不思議なこの現象は、16世紀にアフリカに渡来したポルトガル人宣教師の記録によって古くから知られていた。それはそうだろうと私は思う。鳥と意思の疎通をして蜂蜜の塊をごっそり見つけてくる原住民の姿を見たら、誰だってギョッと驚き、人に伝えずにはいられない。
だが、詳細は不明だった。小鳥はどのようにハチの巣のありかをヒトに伝えるのか。小鳥とヒトはどのように出会うのか。そして小鳥とヒトの関係は、アブラムシとアリの関係(前者が後者に蜜を与え、見返りとして後者は防衛力を提供する)と同様の、生物進化の生み出した共生関係と言えるのか。
小鳥は鳴き声と身振りでハチの巣のありかを教える
研究チームが2016年に発表した論文によって、多くの疑問が氷解した。彼らはモザンビークを訪れ、現在でもノドグロミツオシエを利用して蜂蜜を集めるヤオ族を調査した。まず気になるのが、小鳥による情報伝達法である。彼らの観察によれば、小鳥はハチの巣を見つけると、特殊な鳴き声を出してヤオ族に知らせる。気付いたヤオ族がやってくると、巣の方角に少し飛んでみせ、つまりは「こっちだよ」という身振り言語によって、進むべき方角を伝える。それを幾度か繰り返し、ついにはヤオ族をしてハチの巣を発見せしめる。
次に、小鳥とヒトの出会い方を探った。ヤオ族は蜂蜜が欲しい時、小鳥の鳴き声が聞こえてくるのをただ待つわけではない。「バララララ……フン!」という特徴的な声を張り上げながら野を歩き、こちらから小鳥にアピールする。この声の出し方は父親から学ぶらしい。
声の効果を確かめるため、研究チームは録音をスピーカーで流しながら野を歩いた。すると果たせるかな、「バララララ……フン!」の声を流した際、小鳥がひょっこり現れて道案内が始まることが多かった。他の声や音では、小鳥を引き寄せられなかった。
こうして小鳥とヒトが互いに助け合ってハチの巣を手に入れる術が明らかになった。おとぎ話か怪しい民間伝承にも聞こえるこの話は、ことごとく真実であった。

