学校や副校長会主催の仕事である、施設管理、ケガ対応、座席表づくり——。一つひとつは“小さな仕事”に見える。しかし、「誰が担うのか」があいまいな業務ほど、最終的に“学校全体を見ている人”である教頭・副校長へ集まりやすい。
「『学校のことだから教頭・副校長へ』という流れが、教員に自然にできてしまっているんです」
もちろん、どれも学校運営には必要な仕事だ。茂木氏も、地域連携を否定しているわけではない。ただ、本来であれば分担や運営方法を見直せる業務まで、「最後は副校長が抱える」ことが前提になっている現状に課題を感じている。
その背景には、長年続いてきた学校文化もある。例えば、茂木氏が勤務してきた両区の学校では、教職員が研修や出張を終えると学校へ電話を入れる慣習が続いてきた。
「研修が4時や4時半に終わると、『終わりました』と電話が来るんです。電話を取るのは副校長。職員が50人規模になると、それだけでもかなり時間を取られます」
こうした慣習は、「以前からそうしてきた」「職員を管理するためには当たり前」という理由で残りやすい。一方で、その運用を支える役割は、副校長へ集中しやすい。茂木氏は「本当に必要なのか、ほかによりよい方法はないか」と疑問を投げかける。
茂木氏は、「副校長だからやる」のではなく、本当に必要な業務かを見極めたうえで、「誰が担うのが合理的か」という視点で業務を見直す必要があると話す。
「校内では、役職にとらわれず力量に応じた委任を進めています。比較的若手であっても力量のある教員には、研修運営や学年マネジメントなどを積極的に任せています」
“最後は副校長が抱える”のではなく、学校全体で支える。茂木氏は、そんな組織づくりを模索している。
本来やりたいのは「人を育てる仕事」
茂木氏が本来時間をかけたいと考えているのが、人材育成だ。
今年度の勤務校には初任者が6人いる。2年次・3年次研修対象者も含めると、多くの若手教員への支援が必要な状況だ。茂木氏は4月の着任直後から校内研修の講師を務めることがあった。今後も、学校課題に応じてテーマを設定し、自ら研修を計画している。
