あくまで、同じペルソナに対して、「軽SHW以外を選ぶ確率」と「次に他社を選ぶ確率」をそれぞれ推計したものである。それでも、ホンダにとってどの顧客層にどのような対応が必要かを考えるうえでは示唆がある。
この表から2つのことが読み取れる。1つ目は、ペルソナCは「リスク」と「チャンス」の両面を持つ。
軽SHW卒業の確率は圧倒的に高いが、ホンダ残留率は66%ほどある。「N-BOXの次はフリードで」などと提案するタイミングが合えば、ホンダ内でのアップセルは十分成立する。
逆に提案が遅れれば、トヨタ「シエンタ」や日産「セレナ」などに奪われる。N-BOXオーナーのLTV(顧客生涯価値)を最大化するには、「軽の次」を提案する仕組みが不可欠だ。
求められる「守りの商品力」「他社に負けない商品改良」
2つ目は、ペルソナDが“隠れたリスク”である点だ。
軽SHWにとどまる確率は83.2%と高いので安心に見えるが、ホンダを離れる確率は31.4%と実は高い。若年層のブランドロイヤルティが低いことの表れだ。
この層がN-BOXの次にスズキ「スペーシア」やダイハツ「タント」に流れるとしたら、それはN-BOXの競争力の問題であり、軽を卒業するより深刻な脅威かもしれない。
ホンダにとって、1つ目のペルソナCへの対応は「攻めの提案」で対処できる。一方2つ目のペルソナDに対しては「守りの商品力」「他社に負けない商品改良」が求められる。
最近では日本市場の優先度を上げるメーカーも増えている。今後の競争が激化していく中、生活者としては楽しみである。

