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ココイチ「売上高が過去最高でも客離れ」は嘆くことなのか? 値上げ時代に問われる「消費者への伝え方」の"本質と変え方"

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カレーハウスCoCo壱番屋 店舗外観
ココイチの客離れは何を意味しているのか(写真:筆者撮影)
  • 鈴木 恵美 外食・小売に強いプロ広報/初代プレスリリースエバンジェリスト
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ただし、そのトンテキは「新グランドメニュー」として大きく打ち出されているわけではなかった。目立つ店頭訴求や大型POPは確認できず、メニューの中に自然に混ざっている印象だ。100円割引券は会計時に複数の客が自然に取り出していた。レジで必ず確認され、習慣として根付いている感覚だった。

かつやといえばこれ!という「想起の仕掛け(100円割引券・フェアメニュー)」は機能していた。これまで通り利用し続けている客には「また行こう」が届いている。

ただそれは、既存客の習慣を支える装置だ。メニュー改定による価格変更を経て「値上げした店」という印象のほうが強く残り、「今のかつや」に改めて行ってみようという期待に広がり切らなかった可能性がある。

価格改定のお知らせは、出していた。しかし「値上げ後に何を期待してほしいのか」を強く伝えていない。その構図は、店舗の現場でも一致していた。

卓上には期間限定メニューが目立っていた。アプリに関する訴求はテーブル席の卓上に見当たらなかった(写真:筆者撮影)
「アプリ始めました」の訴求は壁面奥のポスター1枚のみ。テーブル席の卓上に積極的な導線はなかった。ココイチのタブレット上での頻繁なアプリ訴求とは対照的な設計だった(写真:筆者撮影)

客離れの「中身」を分けるもの。目線の向く先と想起

本稿でいう「想起」とは、「また行こう」と店を思い出すきっかけのことだ。

値上げ時に本当に危険なのは、「値上げ」そのものではない。危険なのは、「値上げしか記憶に残らない状態」だ。新商品、期間限定フェア、クーポン、アプリ通知。これらが機能していれば、消費者の目線は「価格」以外にも向く。逆に言えば、価格以外の記憶が薄れると、値上げの印象だけが残り、やがて選択肢から外れていく。

値上げ局面で問われるのは、「安いから行く」以外の理由をブランドが持てているかだ。スターバックスなら季節限定フラペチーノ、マクドナルドならハッピーセットやアプリクーポン、かつやなら100円割引券と定期的なフェアメニュー。価格以外の理由で「また行こう」と思い出されるきっかけを、外食チェーンは作り続けている。

これらに共通しているのは、「価格以外の理由で思い出される仕掛け」が意図的に設計されている点だ。こうした企業・消費者間のコミュニケーションが丁寧に設計されていれば、消費者の関心が価格にだけ向くことはない。

つまりこれは「値上げ後に、消費者に何を期待してほしいのかを伝えられているか?」という問題だ。値上げを発表するとき、消費者の目線をどこに向けるか。値上げ後も、何を理由に「また行こう」と思わせるか。かつやがグランドメニュー刷新のプレスリリースを出さなかったのは、値上げ後の期待を伝えなかった結果とも読める。

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【ココイチの「また行こう」を支える体験】

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