それと、腎機能低下が気になっている人も、果物の摂りすぎには気をつけなくてはなりません。
なぜなら、果物には「カリウム」が多く含まれているからです。
カリウムは果物、イモ類、野菜などに豊富に含まれているミネラル。人の体に不可欠なミネラルですが、慢性腎臓病が進んでくると摂取に注意が必要になってくるのです。
とくに、進行ステージがG3b以降になると、血液中の余分なカリウムを尿に排出する機能が低下して、「高カリウム血症」を起こすリスクが高まります。高カリウム血症になると、吐き気や手足のしびれ、脱力感、不整脈などの症状が表れ、重度になると心臓が停止して命を落とす可能性も出てくるのです。
ですから、腎機能低下がかなり進んでしまった人は、一度にたくさんの果物を食べたりフルーツジュースをがぶ飲みしたりするのは控えなくてはなりません。また、ドライフルーツも乾燥によってカリウム成分が凝縮しているので、過剰な摂取には注意が必要となります。
果物やフルーツジュースに対する考え方を改めよう
このように、肝臓にとっても腎臓にとっても果物は要注意食品なのです。
私の患者さんには「朝バナナをやめたら脂肪肝がよくなった」「毎日オレンジジュースを飲むのをやめたら肝機能が一気に回復した」という方もいらっしゃいます。逆から言えば、果物やジュースが臓器に対してそれくらい大きな負担をかけていたということなのでしょう。
だから、みなさんこれを機会に果物やフルーツジュースに対する考え方を改めてください。
おそらくみなさんの中には、果物やフルーツジュースに対して「フレッシュ」「ビタミンが多い」といった理由で健康的なイメージを抱いてきた方が多いのではないかと思います。
しかし、これらを長年多く摂り続けていると、果糖によるダメージが日々積み重なって肝臓や腎臓を弱らせる道を開いてしまうことになるのです。
ですから、これを機に、「果物・フルーツジュース=健康にいい」という考え方には別れを告げるようにしてください。
そして、これからは「果物は食べすぎないようにしよう」「フルーツジュースを気軽に飲むのはやめよう」というスタンスを基本にしていくことをおすすめします。その姿勢は、肝臓と腎臓という「肝腎要の臓器」の機能を末永く守っていくうえで、必ずや役に立つでしょう。
