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「慰安婦問題はなぜ終わらないのか?」Z世代が抱く素朴な疑問に答える。澤田克己×みたらし加奈対談(後編)

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慰安婦像
なぜ慰安婦問題1990年代以降に取り上げられるようになったのか?(写真:Yeongsik Im/PIXTA)
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澤田:15年の日韓合意はあくまで政治的・外交的な合意であって、問題そのものを終わりにするものではありません。歴史的な対立や、被害者・加害者の複雑な感情そのものを消し去ることは不可能なのです。

政治の論理が当事者を置き去りにする

みたらし:朴槿恵元大統領が女性だからといって、必ずしも女性の痛みや権利を代弁できるわけではありません。彼女は慰安婦問題を解決に向けて強く推し進めましたが、では韓国社会にある女性への差別や不平等をなくそうとしたかといえば、そうではありませんでした。むしろ家父長制的な保守の態度をとっており、フェミニズムの運動とはかみ合っていなかったのです。

そうした背景を持つ朴元大統領が推し進め、日本側では男性ばかりの政治家たちが決めた「被害の解決方法」だったわけですから、当事者との感情のずれが生じ、問題が続いていくのはある意味当然とすら思えます。

だからこそ、性暴力について政治が「最終的かつ不可逆的な解決」と宣言すること自体が、当事者の意に反していると私は思います。確かに、国と国との合意としては必要なプロセスなのかもしれません。しかし臨床心理の視点で見れば、「蒸し返さないでね」というほうが暴力的だとも思います。

澤田:おっしゃる通り、政治的な妥結を図るプロセスにおいて、個人の感情や人権という視点が置き去りにされたという側面は否めません。ただ当事者の多く、具体的には当時の生存者のうち7割ほどの人が、合意による解決を受け入れたということも事実です。

みたらし:慰安婦像の問題も、政治の視点から見れば「合意したのに像を建てるなんて」と感じることは理解できます。しかし、性被害はその人の人生に、何十年にもわたって影響していくものです。

私たちが、戦争で直接的に誰かを傷つけたわけではありません。しかし、被害に遭った人の記憶は、世代を経て残り続けます。それを、臨床心理の視点では「世代間トラウマ」と呼びます。だからこそ、終わらないのは当たり前で、「絶対にやってはいけない」ことなのだと思います。

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