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このまま廃墟化?関門海峡を眼前に鎮座する"崖っぷち神社"大逆転の再生物語、年商500万円→1.8億円に化けさせた神主の覚悟

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弥生時代の200年頃創建と伝わる和布刈(めかり)神社
弥生時代の200年頃創建と伝わる和布刈神社 (写真:和布刈神社公式より)
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現在、和布刈神社のスタッフは12人にまで増えた。当初、高瀨さんの父親は正月と神事のみ表に出て、日常的に働くのは高瀨さんひとり。人手が足りなくなるとアルバイト、さらに2019年からは正社員を採用してきた。採用方針も他とはひと味違う。

「神主ありきではなく、そのときどきに必要なスキルを持つ人を迎えて、神主の資格はあとで取ってもらえばいいと考えています」

前職はゲーム会社や飲食店のエリアマネジャー、県庁職員、外資の人事系など、多様な人が集まっている。「神社の家系ではない人が集まり、神社の仕事に誇りを持って働いてくれるのがうれしい」と語る。

求人のお知らせを見て全国から集まったスタッフたち。全員30・40代で、12人のうち9人が女性だ(写真:筆者撮影)
神職といえばピリッとした雰囲気をイメージしていたが、皆さん明るい笑顔で楽しそうだ(写真:筆者撮影)

2026年3月には、日本経済新聞社によるスタートアップのピッチコンテスト「NIKKEI THE PITCH GROWTH 2025-2026」で、準グランプリとストライク賞をダブル受賞した。約400社の中での快挙だ。

「神社が直面している課題を世の中の人たちに知ってほしかったんです。神社は異次元の存在のように見られがちですが、消滅の危機があることを一般的なビジネスの文脈で伝えることに意義があると考えました。評価いただいたのは素直にうれしく、ここがスタートだと思っています」

和布刈神社の入口。九州と本州を結ぶ関門橋がすぐ上を通っている。関門海峡の向こうに本州が見える(写真:筆者撮影)

人は目に見えない力に祈りたくなることがある

今後については「自分の子どもたちに継いでほしいと言っていません。子どもたちにはそれぞれの目標を達成するための経験をたくさんしてほしいと話しています」。重要なのは血縁ではなく、「神社を良い状態で次の世代に引き継いでいくこと」と高瀨さんは言い切る。

「どんなに科学やAIが発展しても、人は目に見えない力に祈りたくなることがあるでしょう。心の拠りどころとなる神社は、この先も人々にとって必要だと信じています」

そう語る高瀨さんにとって、神社は単に過去からの遺産ではなく、人の暮らしに機能するために更新し続けるものである。長い歴史を背負いながらも、その意味を問い直し軽やかに常識を超えていく営みは、これからも静かに続いていくだろう。

バスが通る道路と海の間に建っている(写真:筆者撮影)

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