今回の四半期決算で初めてAI関連売上高を公表した背景には、こうした市場の懸念を払拭しようという狙いがある。アリババのCEO(最高経営責任者)、呉泳銘氏は決算説明会で、AI関連売上高は主にAIプラットフォーム「百煉(バイリエン)」に各社がAIアプリを接続する際の利用料(API収入)と、AIソフトウェアの定額課金収入によって構成されており、その大部分は前者が占めているという。
呉氏の説明によれば、AI関連の収入は現在ではアリクラウドの商業収入の30%を占めているという。今後1年以内にこの比率は50%を突破し、アリクラウドの成長を支える主要エンジンになるとの見通しだ。
AI関連投資額は当初計画から大幅増
設備投資については、データセンターの規模が、大規模言語モデル(LLM)が登場する前の22年と比べ10倍以上に拡大すると予想。このため、アリババのAI事業への今後3年間の投資額は、これまで公表していた3800億元(約8兆8100億円)を大幅に上回るとの認識を明らかにした。
とはいえ、呉氏は将来的にすべてのデータセンターの建設を自己資金で賄うのではなく、リース方式の活用も検討していると述べた。アメリカなどでもデータセンターの建設費用が膨らみ、運営主体企業の財務を圧迫していることを念頭に置いての発言とみられる。
呉氏はまたアリババ系半導体開発会社「平頭哥(Tヘッド)半導体」のAIチップ生産能力拡大に伴い、今後は同社のAIチップをデータセンター事業者に販売し、そのデータセンターをアリババが借り受ける(リースバック)方式により、演算能力の拡張を共同で支えていく方針を明らかにした。データ処理・演算業務だけでなくハードウェア面でも収益を上げていく戦略を描いているわけだ。
(財新記者:顧昭瑋)
※中国語原文の配信は5月13日
