ここで重要なのは、鮎川さんが「見守り」という言葉を使わないことだ。
「よくソーシャルワーカーの役割を“見守り”と表現されますが、そうではないんです。『見守ってください』『安否確認してください』と言われたら、それは負担になります。毎日『今日は見かけなかったけど大丈夫かな』と心配しなきゃいけませんから。でも私たちのリクエストは『お友だちになってね』『仲良くなってね』ということだけなんです」
友だちなら、たまたま会わない日があっても、それはただの「留守」だ。心配する義務はない。しかし友だちだからこそ、なにかあったときには自然と気づく。この関係性が、持続可能な共生の鍵になっている。
実際に、お茶会からは思いがけない交流が生まれているそうだ。ソーシャルワーカーの20代男性は「お茶会でバンドをやっていると話したら、音楽好きのおばあちゃんがいて。80代の友人とカラオケを楽しむ日が来るとは、自分でも驚きです」と語る。
ノビシロハウスの高齢者の部屋にはIoTセンサーも導入されている。室内の動きを検知し、一定時間動きがなければアラートが出る仕組みだ。ただしその役割は「最後の砦」とされている。
「センサーは孤独死を防ぐためのもの。でも日常のなかで『あれ。◯◯さん、ちょっと元気がないな』と気づけるのは、親しい人間関係があってこそ。役割はまったく違います」
共生を成立させるための「ルール」設計
ノビシロハウスは入居者の年齢や介護度は問わない。ただし、入居希望者には必ずお茶会への見学・参加を求めている。既存の入居者や運営方針との相性を事前に確認し、合わないと判断すればお断りすることもあるという。
「人との交流が苦手な方は、そもそも問い合わせの段階でいらっしゃいません。それが大前提です。ノビシロハウスに関心を持って来てくださる方は、人と関わることが好きな方がほとんどですね」
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【一定の立地条件を満たせば都市部に限らない】
