慢性的な気道炎症や咳や痰の増加を引き起こすこともあり、夜間の咳や呼吸苦につながることもあります。これは睡眠の質を下げ、日中の活動性を低下させます。
歩行や立ち上がりも不安定になります。転倒や骨折のリスクが高まり、そこから寝たきりへ進むケースも少なくありません。
脱水症も見逃せない問題です。水分を飲むとむせる、飲みこみにくいという不安から、水分摂取を控えてしまう方も多く見受けられます。そして脱水が進むと、腎機能の悪化、血栓のリスク増加など、さまざまな合併症を引き起こします。とくに高齢者は、軽い脱水でも体調が急激に悪化することがあります。
食べることは「社会参加」の重要な場でもある
また、心理的・社会的な影響も出ます。食事中にむせることへの恐怖や恥ずかしさから、人と食事をするのを避けるようになり、外出や会食の機会が減ります。その結果、社会的孤立や、抑うつ状態につながることもあります。
食べることは栄養補給であると同時に、生活の楽しみであり、社会参加の重要な場でもあるからです。
健康→オーラルフレイル→口腔機能障害→摂食嚥下障害
口の力の衰えを順序だてると、このようになります。口腔機能を保つだけではなく、口腔機能障害によって引き起こされるなんらかの病気、廃用にならないことがとても大事です。摂食嚥下障害に至ってしまうと、病気のリスクもさることながら、日々の生活も大変になります。
その入り口にあたるオーラルフレイルの時点で、しっかりと回復させておけば、その後のトラブルも抑えることができるのです。
さらに、もうひとつ見逃されやすいのが、「話す機会」です。
女性よりも男性のほうが誤嚥性肺炎の発症率が高いというデータがあります。その理由として、男性のほうが老化による筋肉の衰えの幅が大きかったり、ホルモンの影響があったりすることが挙げられますが、女性に「おしゃべり好き」が多いのも一因ではないかと考えられています。
会話は、口や舌、喉の筋肉を自然に使う、とても優れたトレーニングです。1人で黙々と過ごす時間が増えると、口の動きは驚くほど減ります。
