麻雀では、各プレイヤーが初期手牌として13枚を手にします。そこから各ターン1枚引いては1枚を捨て、徐々に手牌を完成させていく。もちろん、3×4+2=14枚を偶然にそろえるなんて、そううまくはいきません。ですから、プレイヤーはいたずらに13枚を集めるのではなく、「”次に引いてくる1枚”が、より自分の役に立ちやすくなるような入れ替え」を実践する必要があります。
例えば、手牌に数字牌の3・4・7があり、ここから1枚を捨てるとしましょう。このゲームでは「3-4-5」のような階段形(順子)、もしくは「3-3-3」のようなトリオ形(刻子)を揃えるのが小目標となります。3枚とも違う数字ですからトリオは目指せないとして、階段形を目指すなら、どれを捨てるのが最適でしょうか?
明らかに、7を捨てるべきですよね。3か4を捨ててしまうと、次に階段を作るために最短2枚を拾わなくてはいけませんが、7を捨てれば、2か5をひいて来れば即階段トリオが完成します。非常に当たり前で単純なことですが、誰もがこういった計算をしながら、遊戯に興じているのです。
今のは3枚きりだったので簡単でしたが、これが14枚まで増えるとどうでしょうか? また、自分以外に3人のプレイヤーが存在し、独立して牌を集めている以上は、自分だけにかかりきりになってもいけない。様々な押し引きを純粋な確率計算として処理しつつ、最終的には「流れ」のような運に身をゆだねる。この合理と非合理が織りなすハーモニーこそが、麻雀が人々を魅了し続ける理由なのでしょう。
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何かを注視し、傾聴する集中力を学べる本
みなさんは、百人一首の歌をいくつ覚えていますか? 学生時代、夏休みの宿題で覚えさせられた方も少なくないのではないでしょうか。私も、幼稚園や小学校の頃に祖父母の家で遊んだことを思い出します。
私のお気に入りの歌は「田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ」。「田子の浦」がどこか知らずとも、”浦”に”うち出で”ると、目の前に悠々と広がる富士の裾野、それに積雪で白い冠をたたえる雄大な山麓が目に浮かぶようで、こればかりは何度詠んでも初めて見た景色のような感動を与えてくれます。
ここまでだと、単純に「和歌」を楽しんだだけ。ですが、競技かるたになると一味違ってきます。たかだか100枚しかない以上は、全てを暗記できてしまう。そうして暗記したならば、あとは「どれだけ素早く目的の札を手に取れるか」が問題になります。詠まれてから探すのではなく、詠まれる前からざっくりと札の配置を覚えておいて、0.1秒でも早く反応して札を攫えるか否かが、勝負の分かれ目になるのです。
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【どのようにして集中力を培うか】

