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ライフ #リノベな人生〜住まいと生き方を創り直した人たち〜

「港区だけどボロボロ」「30m²・2Kで使い勝手も悪め」 転勤で狭小暮らしになった夫婦が「理想を詰め込んだ部屋」を作るまで

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リノベーション時の様子
30m²2Kだった部屋のリノベーション時の様子。間仕切りと押し入れをぶち抜き、12畳ほどの箱のように(写真:大木奈ハル子さん提供)
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けれどここ1〜2年、その意識が少しずつほどけてきているそう。10年近く柔軟剤を使っていなかったが、かわいらしいクマのボトルにひと目ぼれして購入。香水もまた手に取るようになった。ストイックだった暮らしに、やわらかな変化が生まれている。

ひと目ぼれしてお迎えしたという柔軟剤のくまボトル(写真:大木奈ハル子さん提供)

きっかけを聞くと「暮らしに向き合う時間が増えたんだと思う」と大木奈さん。夫がほぼ自宅で過ごすようになり、大木奈さん自身も家にいる時間が長くなった。洗濯がただの作業ではなくなり、ささやかな日常の楽しみに変わったのだ。

「いろんなモノを削ぎ落として、今はもう一度暮らしにうるおいを戻している感じですね。モノを次々と減らすのが楽しいというところから、モノを足すと楽しくなるというところに興味がシフトしているんだと思います」

モノを削ぎ落とした先に、大木奈さんは自分にとっての「ちょうどいい」を見つけはじめているようだ。

引っ越しを重ねたことで、家に対する執着がなくなった

しかしながら25m²の家で、夫婦と中型犬で暮らす。このあまりにもコンパクトな空間での生活は、誰にでも成立するものではないだろう。

「夫はとても前向きで楽天的な人。『これからどうしよう』と悲観的になることがないので、すごくいい影響を受けてます。この家も狭すぎるし、最初私は『無理やな』と思ってたんですけど、夫は『いけるいける』と言ってましたね」

インタビューをすぐそばで見守っていた夫に「住まいを狭くしていくのは不安ではありませんでしたか」と聞いてみると、「楽しかった」と即答。その迷いのないひと言からも、大木奈さんが背中を押されてきた様子を垣間見ることができた。

単身用の広さのため、家具は最低限。右側にある幅1mのテーブルが食事スペースでもあり仕事スペースでもある(写真:大木奈ハル子さん提供)

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【広さや便利さだけでは測りきれない、心のうるおい】

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