SNSも活用してきた。DIYしたい箇所によって、ブログやYouTubeで検索。またSNSの検索で出てきた人に、気になることがあれば話しかけ、ときには工務店の人にも相談に乗ってもらった。経年劣化が目立っていた浴室をリノベーションした際には、こんなアドバイスをもらっていたそうだ。
「浴室用床材を敷き詰めるのが一般的なのですが、浴室にも使用できるクッションフロアが半額で出ていたのでそれにしたくて。でも専用ボンドは高い。SNSで職人さんに『コーキング剤でもできるよ」と教えてもらい、それでクッションフロアを接着したんですよ」
できるだけ安く、自分でできそうな部分はなるべくDIY。今までの経験を生かして整えた今の家でも、微調整は続いている。
「フロアタイルで足の裏が痛いので上にカーペットを敷こうかなと考えてますし、これからもちょこちょこと微調整はしていくと思います。ただ大きく変えようとは思っていないかもしれません。狭いので、たぶんこれ以上は手の入れようがないんじゃないかな」
不便や不自由さを面白がれるのが強み
築50年の物件には、当然ながら不便もある。内装や設備が古く、今では当たり前になっている機能を備えていない場合も多い。それでも大木奈さんはその不便さをマイナスとは捉えていないという。
最新の設備を持たない住まいは、裏を返せば工夫の余地がある住まいだ。大木奈さんにとって、不便さや不自由さは不満ではなく、自分たちなりに工夫しようと思うきっかけになるようだ。
「短所を面白がることができる。それが私たち夫婦の強みなのかな。普通なら狭いし不便、古いから住みにくいと思うところを『じゃあどうする?』『ここからなにができる?』と面白がって発想できますから」
一見すると不便に思えるコンパクトな住まい。大木奈さん夫妻は住まいを大きくするどころかどんどん狭くすることで「人生が身軽になった」と表現する。続く後編ー「港区だけどボロボロ」「30m²・2Kで使い勝手も悪め」 転勤で狭小暮らしになった夫婦が「理想を詰め込んだ部屋」を作るまでーでは、大木奈さんのライフストーリーから、リノベーションしたことで住まいに対する価値観や暮らしがどう変わったのかをひもといていく。
