洗面台をなくすことでお風呂につかれるようになり、キッチンを小さくすることで冷蔵庫の横に棚も置けるようになった。「とにかく削れるところは削っていった」と大木奈さんは語る。
もうひとつ削ったのが、押し入れ部分だ。ふすまを取り外し、中板を抜いてヌック(ソファ兼ベッド)に改造した。この作業はDIYでは難しかったため、設備の解体をお任せしている「便利屋のお兄さん」に依頼してつくってもらったそう。
ほかにコンセントや洗濯機置き場の増設、トイレの交換などを行い、ひと通りのリノベーションにかかった金額は100万円を少し超えた程度。25m²・6畳1Kのかなりコンパクトな部屋を、ふたり暮らし仕様に整えた。
自分の暮らしに部屋を合わせていく
間取りの変更が終わると、今度はモノの配置に取りかかった。
「用意されている奥行きに合わせてモノをしまうのではなく、たとえば自分の持ってる本に合わせた奥行きで棚を買いたいんですよ。そうした感覚が自分のなかにあるのだと思います」
その感覚は昔からあったという。「子どもの頃、自分の部屋の押し入れに、親の荷物が入っているのがストレス」だった。ここに置きたいと思った場所に、自分のモノが置けない。そのストレスは、独身時代から収納の少ない物件をあえて選ぶという行動につながっていた。部屋の都合に暮らしを合わせるのではなく、自分の暮らしに部屋を合わせていく感覚が、大木奈さんのリノベーションの起点にあるようだ。
とはいえDIYは失敗も多いと聞く。そのひとつが「家具が入らない」「隙間ができる」といったサイズ間違いなのだが、大木奈さんは今までそうした失敗はなかったのだろうか。
「それがないんですよ。とにかく家が狭いので、mm単位でシビアに測って探してます」
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【自分の暮らしをよりよく、より快適にするのがリノベーション】
