新幹線やLCCの普及で衰退したものの、日本で根強い人気を誇る寝台列車。ベトナムでは国内を縦断する寝台列車が1日に数本運行し、観光資源として旅行者を引き付ける。タイパやコスパでは測れないその魅力を、実際に乗車して体感した。
特急だが実態は「青春18きっぷ」
首都ハノイから経済の中心地ホーチミンまで、ベトナムを縦断する南北統一鉄道(以下、統一鉄道)は、フランス植民地時代の1936年に開通した。ベトナム戦争で南北に分断され、設備も甚大な被害を受けたが、1976年に全線が修復され運行を再開。南北統一の象徴的存在であることから、現在の名称になった。
運行距離は約1720キロ。日本に例えると青森から博多、つまり本州縦断に近い距離だ。
ハノイとホーチミンの2大都市を結び、観光都市のダナンやフエも経由するベトナムの大動脈だが、日本の新幹線のような「国民の足」という存在ではない。また、飛行機とも比較の対象になりにくい。
なぜなら同鉄道は「特急」を標榜しつつも、時速50キロ前後の普通列車並みの速度で走るため、移動手段としては効率が悪いからだ。
次ページが続きます:
【寝台列車体験ができる】
