人間は自分の効用について何もわかっていない。この事実を、結婚、シュウカツなどを例に説明してきた。レストラン選びや嗜好品の購入も同じであることも説明した。
ほぼすべての人生の選択、消費に関して、われわれは自分の効用をわからないまま決めているのである。わかっていない効用を最大化するために全力を尽くすのが、現代経済理論における合理的な人間であるから、合理的な人間は全員不幸になる。
しかし、世の中には幸福そうな人はいる。彼らは、現代経済理論によれば「非合理的な」人間であるから、経済学的には不幸だが、実際には幸福なのである。
どうしたら彼らのように幸福になれるのだろうか?
目の前のことだけと取っ組み合う
結婚も就職も深く考えない。そういう人は不幸にならない。
結婚は行きがかり上そうなったのだから、もう考えない。結婚について考えず、今、目の前にある問題だけと取っ組み合うのである。
子供がいると幸福なのは、子供が素晴らしいから、ということもあるが、子供が生まれる、そこにいる、勝手に変化していく。取っ組み合わなくてはいけないことが、毎日毎日、目の前に突きつけられるのである。だから、考える余裕がない。
このような親たちは、わかりもしない未来などを考える余裕がないから、わかりもしないことを考えて意思決定することがないから、不幸にはならずに済む。暇だと余計なことを考えてしまうのである。
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