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北朝鮮「最高指導者の通訳」はつらいよ 実力はネイティブ同等でも些細なことで左遷・更迭、炭鉱送りも

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2019年2月にベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談(写真:Anadolu/Getty Images)
  • 五味 洋治 ジャーナリスト、東京新聞 前論説委員

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北朝鮮ではここ数年、エリート公務員である外交官の脱北が続いている。体制を離れるのは、閉鎖的な社会の中で自分や子どもたちの将来を心配してという理由もあるが、外交上の責任を押しつけられ、炭鉱労働などを通じた「再教育」(労働革命化)を受けることがあるためだ。

こういった北朝鮮外交官、なかでも最高指導者の通訳である「1号通訳」の苛酷な内部事情を詳細に描いた本が2025年、韓国で発売された。

北朝鮮において通訳は、命がけの仕事であることが伝わってくる。

「金正恩の隠された秘密金庫」

この本は「金正恩の隠された秘密金庫」(東亜日報社刊、未邦訳)。25年に出版後、韓国でベストセラーとなった。著者は19年9月に韓国に亡命した劉現祐(リュ・ヒョヌ)元駐クウェート臨時代理大使だ。

劉の義父は、金正日(キム・ジョンイル)総書記と中学・高校の同級であり、金ファミリーの秘密資金を扱う党39号室長を務め、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の結婚式に参列するほど権力の中枢にいた人物だった。現在、義父の消息はわからないという。

劉は平壌外国語大学アラビア語科を卒業後、外務省に入り、中東局などで勤務した。アラビア語は外国人がマスターしにくい言語として有名だが、劉は平壌に駐在していた中東出身者から直接学んだという。

クウェート駐在大使代理となった後、2019年に家族とともに韓国に亡命した。亡命した理由は2017年、駐クウェート大使館の引っ越し業務を行っていた際、金正日総書記が描かれた肖像画を紛失し、その責任を問われたからだ。最高指導者の肖像画を傷つけたり、紛失すると政治犯となって厳罰に処される可能性があるという。

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【相次いだ北朝鮮外交官らの亡命】

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