2002年、22歳。
洋花さんはアジアを1年かけて放浪し、そのうち7カ月をインドで過ごした。そこで、後にパートナーとなる1人のスペイン人男性と出会う。
「鎧がまったくなくなっちゃったんです、逆に、インドに行って」
鎧の下から現れた素の自分がそこにはいた。そのときに付けられたあだ名が、現在店名としても使っている「ヨカロカ(クレイジー・ヨウカ)」だった。
日本に帰国後、ネズミ講まがいの商売に引っかかり、100万円以上の借金を抱えた。スペインへ渡る資金を貯めるはずが、彼に返済を肩代わりしてもらう形になった。
「罪悪感がありました。キャリアのある彼との差も感じて……」
自立したい――その思いが、彼女を突き動かしていく。06年12月、パートナーシップビザを所得し、洋花さんはマドリードへ渡った。
「君がここで何か始めたら?」
マドリード到着から3カ月、洋花さんは寿司屋を始めることになる。
きっかけは偶然だった。住まいから徒歩圏のアントン・マルティン市場で、スペイン語の勉強を兼ねて毎日買い物をしていたある日、小さな日本食材の店が「畳む」という話を耳にする。 当時のパートナーからこう提案された。
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【「自立したかった」】
