『同僚とのつきあい方』(勝木健太 監修、東洋経済新報社)というタイトルを目にすると、多少なりとも会社員時代の記憶が蘇ってくる。「あのころは、いろいろあったなあ」と。
なにしろ会社員生活とは、考え方も価値観も異なる人たちとともに毎日を過ごすことに等しいのだ。それはなかなか難しいことでもあり、私も数十年前には、人間関係の些細なトラブルで悩まされたりもしたのである。
いま考えればその大半は他愛もないことだったのだけれども、同僚と過ごす日常とはそういうものなのだろう。
そのため、「家族よりも長い時間を共に過ごす」という表現が用いられることも少なくない。だとすれば良好な関係を維持したいものだが、残念ながらそれはなかなか難しくもあるのだ。
そもそも、「口の軽い同調がなんでも社内に広めてしまうから、うっかり愚痴もこぼせない」とか、「さりげなく仕事を押しつけ、自分は先に帰っていく同僚にイラつく」など、トラブルの原因も多種多様だ。
しかも、人間関係を改善するためのマニュアルなどは存在しない。だから厄介なのだが、その「厄介さ」から目を背けず、「同僚づきあい」をなんとか円滑にしようという意図が本書にはあるのだ。
人間関係を戦略的にマネジメントせよ
監修者は三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)からキャリアをスタートさせ、以後はPwCコンサルティングおよび監査法人トーマツを経て独立した人物。
伝統的な日本企業と、グローバルなプロフェッショナルファームの双方を体験してきたわけである。
だからこそ、「どんな組織であっても、人間関係を戦略的にマネジメントできる人が、最終的に生き残り、評価される」と断言できるそうだが、それは人間関係で悩むすべてのビジネスパーソンが応用できることかもしれない。
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【同僚づきあいの「地図」と「武器」】

