「敷地売却事業は、建て替えが困難で、余剰容積が確保できない築古マンションの再生に有効な手段の1つです。
とはいえ、建て替え後の建物が住宅になるとは限らないため、元々の住人の方が自動的に新しいマンションに入居できるわけではありません。区分所有者の権利を不動産会社に買い取ってもらい、建て替え後の建物形態によっては購入も可能になるという仕組みですから、『住み続けられないのか?』という指摘をもらうこともあります。
とはいえ、各ステークホルダーが三方よしになるスキームではないかと私は思うのです。敷地売却で建て替える方法が一番良い選択肢なのかは、そのマンションやステークホルダーによって変わるかでしょうが、1つの選択肢にはなるのではないでしょうか」(御手洗氏)
「住人のいる廃墟」となるか、権利を売るか
マンションの建て替えには、果てしない時間と根気強い対話が必要となる。元いた住民は一度金銭と引き換えに権利を手放すことにはなるが、ボロボロになり誰も住めなくなる建物を放置するより、制度を活用して土地を有効活用するほうがはるかに意義があるはずだ。
現在マンションにお住まいの方は、自身の物件の管理状況や修繕積立金がどうなっているか、手遅れになる前に今一度確認し、建物の未来について議論を始めてみてはいかがだろうか。
