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NHKの「クローズアップ現代」で放送された「貧困から抜け出せない 手軽な"働き方"拡大の陰で…」(2026年4月7日放送)が注目を集めている。番組では、スポットワークに頼りながら安定した住まいを持てない若者の実態が紹介された。その背景について、取材に協力したNPO法人POSSEは、親世代が就職氷河期にあたり、非正規雇用などで収入が不安定だったため、実家というセーフティネットが機能しにくくなっている点を指摘している。
制度上は、住まいがない人や親族を頼れない人でも生活保護を申請できる。しかし、制度への誤解や心理的な抵抗、住所の不安定さなどから、公的支援につながらないまま、スポットワークで当座の生活をしのぐ若者もいる。
子どもの貧困は自己責任、といった心ないコメント等がXなどに数多く投稿されたが、親の世代も子どもの世代も貧困にあえぐという現実があるのは事実だ。いわゆる「貧困の世代間連鎖」と呼ばれるものだが、こうした現象は日本だけではなく世界でも問題になっている。
同番組でも、住居不安定な若者を支援につなげる手段として、生活保護や生活困窮者自立支援制度などが紹介されたものの、制度面には大きな課題があることも指摘している。そこで、貧困の世代間連鎖について、国内外の現実を紹介したい。
就職氷河期世代とは何か?
就職氷河期世代とは、1993年から2005年頃に学校を卒業して労働市場に参入した世代、と定義されることが多い。バブル崩壊後の経済低迷期に就職活動を行い、正規雇用に就けず、非正規雇用で働かざるをえなかった人も少なくなかった層のことだ。
2020年度には政府がその支援に乗り出し、「就職氷河期世代支援プログラム」をスタートさせている。非正規雇用に対する規制緩和と相まって誕生した、比較的年収の低い層を含む世代を指すのだが、時は流れ、現在は40代前半から50代半ばに達している。いわば就職難の時代を生き抜いてきた世代で、約1700万人が該当するともいわれている。
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【さまざまな面で貧困は連鎖する?】
