ホリエモンこと堀江貴文氏がプロデュースする西麻布の会員制高級レストラン「WAGYUMAFIA」が、SNSで大炎上している。
きっかけは2026年4月22日、来店した客がX(旧Twitter)に投稿した1本の動画だった。カウンターの客が食用菊のように見える花を山盛りに乗せたうちわを持ち、従業員の掛け声に合わせて、巨大な桶の中の料理に一斉に花を振りまく様子が映っている。
桶に収まらなかったおびただしい数の食用菊の花びらが、テーブルや床に散乱している様子が映し出されていた。投稿は瞬く間に拡散され、大きな反響を呼んだ。
各メディアも「すごく汚い食べ方」「食べ物を粗末にしている」と報じ、食材への敬意を欠いた演出だとする批判の声が広がっている。
当の堀江氏はSNSで「F1のシャンパンファイトとかプロ野球のビールかけとの違いがわからない」「お店では日常だけど、お客さんにとってはハレの舞台なんでね」という見解を示した。
この事案がこじれているのは、議論の中に「店側」「客側」「外側」という3つの異なる立場が混在しているためだ。
東京は国内外の富裕層が殺到する食の聖地
騒動の前提となる業界の現状を押さえておきたい。
東京は19年連続で世界で最も多くのミシュラン星付きレストランが集まる都市である。「ミシュランガイド東京2026」(発表時点)によれば、星付きレストランは三つ星12軒、二つ星26軒、一つ星122軒の合計160軒に及び、掲載総数は526軒にのぼる。2位のパリ(129軒)、3位の京都(93軒)、大阪(79軒)、香港(76軒)と比べても、東京の規模は圧倒的だ。
価格帯も急騰している。まだ実績のない2番手が独立した店が、コース料金3万円以上というのは、もはや当たり前となった。「普通の高額店」はコース料金が4万円から5万円で、平均客単価は5万円から6万円といったところだ。
予約困難店に特化した予約サービス「OMAKASE」には500店舗以上が掲載され、ミシュランガイドの星付き店やいわゆる予約困難店も多数登録されている。最近は一時期よりも落ち着いてきたとはいえ、いまだ予約が数カ月先まで埋まっている店も少なくない。
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【過熱した市場で働く論理】
