アストンマーティンは、これまで比較的、小規模のスポーツカーメーカーとしてやってきた。
得意とするのは、フロントエンジン後輪駆動のスポーツGTで、モデル名に「DB」をもつ2プラス2と、もうひとつ、純粋2シーターがラインナップのコア。
2020年にSUVの「DBX」を発売し、世のトレンドにうまく乗ってからは、こちらが販売の中心となってきた。
一方、21年に12気筒エンジンをミドシップしたレースカーさながらの「ヴァルキリー」を、25年には8気筒プラグインハイブリッドをミドシップした「ヴァルハラ」を発売。
「大きな資金力がない」に続けて「けれど、メリットは小回りが利くこと」とするホールマークCEOの言葉を裏付けるような、大胆なモデル構成を展開し始めたといえる。
F1チームとの開発体制
「私たちはいま、新時代の幕開けにいます。ヴァルキリーもヴァルハラも、言ってみればその端緒です」
ホールマークCEOは、アストンマーティンは「スーパースポーツカーを作っているブランドの中で、もっとも幅広いラインナップを誇っている」と胸を張るように言う。
ヴァルキリーとヴァルハラを例にとると、開発体制も凝っている。
ロンドンから約180km北西のゲイドンにある本社が開発を主導して、そこから東に約40kmのシルバーストンにある「AM F1チーム・テクノロジーキャンパス」が風洞実験などで協力する。
ボディの空力設計をはじめ随所にF1マシン(アストンマーティン・アラムコF1チーム)のノウハウが、2台に盛り込まれているのだ。
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【モータースポーツのブランド的重要性】
