「たとえば、車体側面下部のボルテックスジェネレーターを見てください」
そう話すのは、デザインを担当したオンドレイ・イレツ氏だ。
「ヴァルキリーでは山型ですが、ヴァルハラでは後輪の前に5つのフィン形状として並べています」
ボルテックスジェネレーターによって空気の流れをうまく使い、高速で後輪が浮く、いわゆるリフトを10kg分、抑えるのに効果を発揮しているそうだ。
「デザインを変更したのは、F1マシンとのつながりを強調しようと、オーナーのローレンス・ストロールに言われたからです」とイレツ氏。
「F1はブランドアウェアネスを高めるためにも重要。加えて耐久レースもです」
5億円超でも完売した「ヴァルキリー」
果たして、凝った設計と説得力のあるレースでの戦績は、セールスに貢献しているようだ。
ヴァルキリーを例にとると、耐久レースにファクトリーチームとして参戦している中で、唯一のロードカーベースの車両となる。
それが、25年のFIA世界耐久選手権「富士6時間耐久レース」で5位に入賞、26年は「ロレックス・デイトナ24時間レース」で19位完走という具合。ブランドイメージ向上に大きく貢献しているのだ。
価格は1台250万英ポンド(1英ポンド=213円として約5億3300万円)のヴァルキリーと、1億2000万円のヴァルハラ。
高いブランドイメージに加えて、レースとセットにした販売戦略が奏功し、高価格は逆に希少性と同義だと、超富裕層マーケットで受け取られている。実際。ヴァルキリーは完売だ。
「この先、さまざまなモデルを考えています。たとえば、ヴァルハラの倍ぐらいの価格のごく少量生産車で、ほかのブランドでは手がけられないようなモデルなども」
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【ヘリテージを現代に蘇らせる「コンティニュエーション」】
