「うちの子、毎日ちゃんと机に向かっているのに、一向に成績が上がらないんです」
こうした切実なご相談を、筆者はこの37年間で数えきれないほど受けてきました。親御さんからすれば、わが子がノートを広げ、ペンを動かしている姿を見れば、少なからず安心するものです。「少なくともサボってはいない」「これだけ時間をかけているのだから、いつかは結果が出るだろう」と期待するのも無理はありません。
しかし、厳しいようですが、ここに大きな「教育の罠」が潜んでいます。実は、学力が伸び悩む子の多くは、「勉強」はしていても「学び」をしていないのです。
親がハマりやすい「見える安心」という罠
親にとって、子どもの「勉強している姿」は精神安定剤のような役割を果たします。しかし、その安心感こそが、ズレに気づくのを遅らせる要因になります。
例えば、算数の問題集を解いている子がいるとしましょう。彼は黙々とペンを動かし、全問正解して丸をつけています。親は「今日は調子がいいわね」と声をかける。ところが、テストになると点数が取れない。
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【「非効率に見える時間」に学力が積み上がる】
