中国社会では、新婚夫婦が親と同居する光景がいまも珍しくない。とりわけ大都市では、住宅価格の高騰や育児負担の重さがのしかかり、3世代同居は現実的な選択肢として受け止められている。
この家族構成のなかで緊張が生まれやすいのは、嫁と姑の関係だ。一見すると、性格の相性や生活習慣の違いから生じる個人的な摩擦のように見える。だが、少し目を凝らせば、社会構造や文化的背景が複雑に絡み合っていることが見えてくる。
ネットを見ると“沈黙型”の新しい嫁姑関係が広がりつつあるようだ──。争わず、ぶつからず、声を荒らげることもないが、自ら言葉を交わすこともほとんどない。家庭内に「冷戦」のような状況が生まれているのだ。
嫁と姑の確執は古くからある難題
伝統的な中国社会において、家庭は父権と年長者の権威を軸に成り立ってきた。
嫁は家に入ると従属的な立場に置かれ、「親孝行」や「年長者に従う」といった規範に従うことが求められる。嫁姑の確執は、こうした構造の中で古くから繰り返されてきた問題である。
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【若い女性の職業的自立と強い自己意識】
