さらに、世代間の価値観のギャップも見逃せない。中国社会はここ数十年で急速な変化を遂げ、世代ごとに異なる価値観が形成されてきた。
年配の世代は倹約や家族への献身を重んじる一方、若い世代は個人の感情や生活の質を重視する傾向が強い。子育てにおいても、経験を重視する年配層と、科学的知見を重んじる若い親との間に認識のずれがある。
30代女性の嘆き、60代女性の不満
多くの家庭で、義母はしばしば「献身の罠」に陥る。家を買い、育児を手伝い、家事を担っても、「感謝」の一言すら返ってこないどころか、嫁から不満を向けられることさえある。
一方、嫁は義母の献身を受け入れることで心理的な負担を抱え、「借りがある」と感じながらも、素直に感謝しづらい。こうして双方の思いがすれ違い、関係は知らぬ間に重くなっていく。
広東省広州市に暮らすHさん(30代女性)は、義父母と同居している。
「義父母は20年以上にわたって不動産業を営み、いまでは毎月の家賃収入も安定している。広々とした家には家族全員が集う。私と夫は普通の会社員で、幼稚園児の子どももいるため、経済的にも子育ての面でも義父母の助けが欠かせない」
「ただ、家の中には揺るぎない『女王』がいる。義母だ。誰もが彼女の意向を優先せざるを得ない。とりわけ子どもの教育となると、私との意見の食い違いがしばしば表面化する。
義母は孫を溺愛しすぎており、その結果、子どもの振る舞いが少し横柄になってきているように思う。私は、成長のためには一定のしつけが必要だと考えているのだが、その思いがなかなか届かない」
福建省福州市で暮らすYさん(60代女性)は、退職後の毎日を穏やかに過ごしている。
「日々の主な役割は、買い物をして食事を作ること。息子と嫁の生活には口を出さず、嫁との関係もおおむね良好だという。価値観の違いはあるものの、争わず、深追いもしない。それが平和の秘訣だ」
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【「ひとつだけ胸に引っかかること」】
