「ただ、ひとつだけ胸に引っかかることがある。息子夫婦は、家事を私が担うのは当然のことだと思っている節があるのだ。本来なら、できる範囲で手伝ってくれてもいいはずだと感じている。
そんな思いもあって、最近は友人と数日間の旅行に出かけることが増えた。自分がいない間に、息子夫婦が自分たちの生活をきちんと回してみるべきだと思うからだ」
家族を思いながらも、自分の時間も大切にする。その決意が、彼女の日常生活を彩り豊かにすると同時に、嫁とのトラブルも防ぐことができる。
なぜ「婿」は穏やかなのか
「家庭の火種」の代名詞とも言える嫁姑関係に対し、婿と義父母の関係はどこか穏やかで、風通しがよく見える。
古くから父系制が根付く社会では、結婚は女性が「夫の家に入る」ことを意味してきた。嫁は新しい家族の一員として、夫側の生活様式への同化を強く求められる。この“密着しすぎた距離”こそが、摩擦の温床となってきた。
一方、婿が妻の実家に深く組み込まれることはほとんどない。義父母と婿の関係は、同じ屋根の下で主導権を争う間柄ではなく、あくまで適度な距離を保つ「親戚」に近い。婿が義実家にとって常に“外から来た客”でいられるからこそ、その関係は波風が立ちにくいのだ。
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【「嫁」に課せられる規範は重い】
