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「義母は家庭内の女王」「息子夫婦は私が家事をするのを当然だと思っている」 中国でも苛烈な《嫁姑問題》の根深さ

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対立する嫁と姑
中国社会の急速な変化は世代間ギャップを生み、嫁姑問題が起こりやすくなっている(写真:Fast&Slow/PIXTA)
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しかし、教育の普及と女性の社会的地位の向上により、若い女性の多くは職業的自立と強い自己意識を持つようになった。

もはや伝統的な家庭内の序列を無条件に受け入れることは望まず、価値観の異なる2つの家庭観が同じ屋根の下で交わることで、摩擦が生じやすくなっている。年長者主導の家族観と、夫婦中心の核家族的な自立志向が、正面から向き合うからである。

さらに、一人っ子政策がもたらした世代構成の変化も、この緊張を強めている。多くの家庭では子が1人しかおらず、両親は子の成長に多大な愛情と資源を注いできた。その結果、親の期待と夫婦の自立との間に、微妙な力のせめぎ合いが生まれている。

息子が結婚すると、母親はしばしば「役割の移行」に伴う違和感を覚える。かつて家庭の感情の中心にあった母子関係は、やがて息子夫婦へと重心を移すからである。

この変化は、一部の母親にとって無意識のうちに「自分が置き換えられた」という感覚を生みやすい。その結果、嫁に対する過干渉や不満といった形で感情が表れることもある。

また、嫁姑問題の見過ごされがちな要因として、夫であり息子でもある男性の役割がある。多くの場合、彼は対立を避けて沈黙を選び、「仲介者」としての機能を十分に果たせていない。その結果、緩衝材を失った関係は、嫁と姑の直接的な対立へと傾きやすくなる。

“経済的依存度の高さ”が境界を曖昧にする

住宅事情や経済構造の制約により、多くの都市では若い夫婦が自力で住宅を購入することが難しい。そのため、親が資金を援助したり、親子同居を選択したりするケースが一般的となっている。こうした親への経済的依存度の高さは、家族間の生活の境界を曖昧にしやすい。

例えば、子どもの教育方針を誰が決めるのか、家計の管理や家事の分担をどうするのかといった問題は、しばしば対立の火種となる。仮に生活空間が分かれていれば意見の違いも緩和され得るが、同居環境では日常の些細な摩擦が拡大しやすい。

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【多くの義母が陥る「献身の罠」】

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