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「欧米流」の会計基準に見え隠れするこれだけの違和感 日経平均5万円超えでも恩恵を感じられない今を読み解く視点

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日本人が信じる欧米流の会計基準。果たしてどこまで”妥当”なのでしょうか? (画像:aijiro / PIXTA)
  • 瀧澤 信 複眼経済塾・塾頭

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イラン紛争問題が一進一退を続ける中、日経平均は史上初の5万円超えを引き続き維持しています。かつてない高い水準ですが、それで我々が何か恩恵にあずかれたというと、豊かになった実感がないどころか、物価高などで生活は苦しくなるばかり。経済とはどういうカラクリなのかと、疑問に思っている人は少なくないのではないでしょうか。
こうした背景にあるのは、「マネー偏重の資本主義社会のひずみ」だと言い切るのが、金融のプロとして30年以上にわたって業界の一線に身を置いてきた瀧澤信氏です。
いったいどういうことなのか。本稿では瀧澤氏の新著『マネーの真相 世界を動かした「欧米300年のルール」の終焉 』より一部抜粋。「マネー偏重の資本主義社会のひずみ」の一端について、ご紹介します。

 

みなさん、こんにちは。瀧澤信と申します。

私は30年以上にわたり、一貫して金融の世界に身を置いてきました。生命保険会社で財務融資を経験したのを皮切りに、バングラデシュでグラミン銀行のマイクロクレジットを勉強。野村證券を経て、ESG専門のプライベートバンクの会社を起業。現在も9本のプライベート・ファンドの運用に携わるかたわら、株式投資や経済について個人の方に教える「複眼経済塾」の塾頭としても活動しています。

このように様々な立ち位置で金融と関わってきた中で、私がたびたび感じてきたのが「資本主義経済のひずみ」でした。それは実に多岐にわたっており、詳しくは拙著で解説しているのでそちらも御覧いただけたらと思いますが、今回は皆さんにも身近な「会計」、具体的には「キャッシュフロー」を切り口に、この「ひずみ」について解説してみたいと思います。

CFは矛盾する会計基準の結果として生まれた?

2000年代前半、野村證券に勤務していた私は、野村プリンシパル・ファイナンスという部署に所属していました。この部隊は、バイアウトという手法を使った買収を手掛ける部署です。NHKドラマにもなった、真山仁氏の小説『ハゲタカ』や『バイアウト』(いずれも講談社)に登場するバイアウト・ファンドと同業といってよいでしょう。

このバイアウトというのは、いわゆるM&Aを手段に、優良企業や再生企業を買収してバリューアップして売り抜けるというのが基本の形になります。私自身は、長崎・佐世保のハウステンボスの再生プロジェクトに携わり、実際現地で経営企画室長という肩書をいただいて2年半ほど赴任していた経験もあります。

M&Aを実行するうえで、きわめて重要なプロセスはその買収対象企業に値段をつけることです。では、その会社の値段は一体どうやって決めるのか。これは大きく分けて3つの方法があります。

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