決算書の「隠れリスク」会計のプロはここで見抜く!貸借対照表をじっくり読み解けば企業のリアルな財政状態がわかる
貸借対照表「資産の部」の硬度とは何か
財務3表の中でも読み方がもっとも難しいのは、貸借対照表の左側(借方)に記載される「資産の部」 です。
しかし、いきなりこの表を見ても、資産として20から30もの勘定項目とその数字が並んでいるだけなので、何をどう読めばいいのかわからないと思います。
これを読むときのコツは、勘定項目の「硬度」に注意することです。硬度とは、記録された数字の確実性のことです。もう少し正確に言うと、きちんとした手続きを経ていて算出根拠が明確であるか、その確実性が硬度の差といえます。
「資産の部」に並ぶ勘定項目の中には、硬度が高いものも低いものもあります。それを見分けながら読まなければ、そこで表現されている財政状態を正確に推理することはできません。
「資産の部」で硬度の高い項目の筆頭は、流動資産の中の「現金及び預金」 です。キャッシュとして存在する資産なので、その数字に曖昧なところはまったくありません。確実にそれだけの資産があると考えることができます。
それに次いで硬度が高いのは、流動資産に計上される「有価証券」。1年以内の短期的な売買や換金の目的で保有している投資信託、株式、債権などです。
現預金ほど確実ではないものの、証券市場で取引される中で価値が認められているので、硬度の高い資産と見なすことができます。
同じ有価証券でも、長期的な投資を目的として1年以上保有するものは「投資有価証券」と呼ばれ、固定資産に計上されます。
具体例としては、関連会社や子会社などの株式や、長期保有を予定している社債や国債などは、市場で値段がついているので、硬度の高い資産といえます。
ここまで挙げてきた項目は、およそどんな会社でも基本的な硬度に違いはありません。現金や有価証券はどの会社でも硬度が高く、無形資産や貸付金は硬度の低い資産です。
それに対して、会社によって硬度に差がある項目もあります。土地、オフィスビル、倉庫、工場、機械、車両、船舶などの「有形固定資産」です。この項目の硬度は、利益の出ている会社と出ていない会社とで違うと考えるべきでしょう。




















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